外国会社設立ケーススタディ②
ご依頼内容
イタリアの高級アパレルブランドであるG社は、これまで日本事業を代理店を通じ運営していましたが、この度、代理店契約を解消することになり、G社は、日本において新会社を設立後、日本事業譲渡を代理店から移管することになりました。事業の直営にあたり、K氏がカントリーマネジャーとして採用されました。本社の指示により、K氏は、日本における法人設立・事業移管を全面的に委任されることになりました。
K氏は、大手ラグジュラリブランドからヘッドハントされた方であり、人事・経理を含め会社運営のご経験をお持ちではなかったため、K氏が事業に専念できるよう、ワンストップで管理業務のアウトソースをされたいとのニーズをお持ちでした。インターネットで、英語対応ができるアウトソーシングファームを探される中、ベンチャーインクを見つけられ、弊社のホームページよりお問合せをいただきました。
弊社のご提供サービス
- 会社設立サポート
- 事業移管のサポート(TODOの洗い出し)
- 税務顧問
- 会計アウトソーシング
- 給与計算サポート
- キャッシュ・マネジメント
弊社の具体的なサービス
1 ご契約までの流れ
・弊社ホームページのお問い合わせページより、コンタクトいただき、同日に、お電話にて、アウトソースされたい内容をご説明いただきました。
・K氏より、さらに具体的なお話をされたいとのご依頼がありましたので、弊社にご来社いただき、日本事業の移管のスケジュール、事業計画、アウトソーシングの範囲をお伺いしました。
・お打合せ後、K氏にEmailにて、英語版のproposalをお送りし、本社CFOと香港にいるAPAC責任者に共有していただきました。
・後日、本社CFO、APAC責任者、K氏とともに、Zoom meetingを行い、proposalの内容をご説明するとともに、事業移管に関する税務・会計・人事上の問題点をご説明しました。
・APAC責任者が来日された際、滞在されているホテルにて顔合わせをさせていただき、事業移管の問題点などを協議させていただきました。
・半年後の事業移管に向け、法人設立をすることを本社のboard meetingにて決議いただき、正式に弊社にご依頼いただくことがきまりました。
2 会社設立の手続
・本社のLegalチームの責任者がリードすることになりましたので、Zoom会議を設定し、本社legal責任者に対し、株式会社・合同会社のそれぞれメリット・デメリットをご説明するとともに、CFOも交え、資本金額の設定について、協議しました。
・本社において会社形態や資本金額等を決定していただいた後、ベンチャーインクにおいて、定款やその他書類を英語にて作成し、本社代表者にサインをアレンジしました。
・代表取締役が非居住者であったため、本社において、サイン証明やaffidavitの認証書類をご用意していただき、原本を弊社に郵送していただきました。
・提携の司法書士が、定款認証及び会社登記申請を実施。登記完了後、登記簿謄本を取得し、関連書類の英語訳を作成後、本社legalチーム責任者に対し、会社設立完了をご報告。
・会社設立後、弊社にて、以下の手続きを代行。
a) 税務署・都税事務所への届け出
b) 日銀への届け出(外国法人による会社設立)
3 銀行口座開設のサポート
・今回のケースは、株主が外国法人であり、かつ、代表取締役が非居住者であったため、通常のルートでは、銀行口座開設が難航することが予想されておりました。そのため、弊社にて、取引銀行をご紹介し、必要書類作成の上、口座開設のサポートをいたしました。
・オンラインバンキングの申込み及び外為についても申込みのサポートを行い、経理業務がスムーズに進むように設定をさせていただきました。
4 事業移管に関するご相談
・K氏と事業計画及び事業移管のTO DO事項についてのディスカッションセッションの場を設定。輸入通関、EPA、関割、システムの設定から各種届出等、事業譲渡にあたり必要となる事項を洗い出し、役割分担を明確化しました。
・本社legalチームが、弁護士事務所とbusiness transfer agreementを作成しており、移管資産の対象となる在庫・固定資産・退職給付債務・有給休暇引当金の会計税務上の取扱いについて相談を受け、複数回の電話会議によりアドバイスをさせていただきました。
・事業移管時の棚卸資産と固定資産の実在性を確認するために、弊社に棚卸立ち合いを行ってほしいとの依頼があり、事業移管日に棚卸立ち合いとサンプルでの在庫確認手続きを実施。
5 会計サービス
・本社会計チームとreporting format、Chart of accountについてのすり合わせを行い、弊社の会計ソフトにて記帳を行い、英語にてレポートを行うことを決定。
・店舗ごとの損益管理をしたいとの要望がありましたので、部門別損益管理を行うとともに、IFRSに準拠した場合の百貨店の消化仕入の処理について本社と協議して決定。
・直営店舗においては、外国人観光客の売上が多いため、免税店の届け出を提出するとともに、店舗における免税書類についての必要要件を確認し、K氏に店舗への展開を依頼。
6 給与計算サービス
・給与計算結果については、毎月、本社の人事責任者の承認後に実施する必要があったため、英語による給与レポートを作成するとともに、日本の社会保険・所得税・住民税などの控除項目の内容について、詳細に説明しました。
・日本サイドの入社関係書類のサポートについては、SmartHRを導入し、事業移管により入社する従業員の入社手続きや給与明細の配布が効率的に行うことができるようサポートさせていただきました。
7 キャッシュ・マネジメント(月次定例業務)
・日本法人から弊社に対し、毎月、業者から届いた請求書をPDFにし、メールにて送付して共有いただくことになりました。
・日本サイドのカントリーマネジャーやスタッフの方は支払業務に一切タッチすることなく、本社からの指示により、ベンチャーインクが、業者への支払いや給与の支払手続きを実施。
・毎週、預金明細を英訳し、本国経理チームに送付
Testimony
お客様の声
最初にコンタクトさせていただいたのが、会社設立の半年ほど前でしたが、会社設立の計画段階から、APACの責任者とコミュニケーションを継続していただき、メール・Skypeなどで根気強くご説明いただき、非常にスムーズにご支援いただきました。今回は、事業移管がかさなり、新会社立ち上げ後に、従業員が20人ほど移籍し、百貨店との契約やシステムも全て刷新する必要があったため、カントリーマネジャーだけでは荷が重い業務でしたが、ベンチャーインクさんのチームのご支援のもと、バックオフィス業務の大半をお任せすることができたうえ、本社との調整もうまく進めていただいたため、私はビジネスの立ち上げに集中することができました。代表の井上さんには、事業移管に関する実務的な処理についても様々なアドバイスをいただき、会計・税務の枠をこえて、全体のプロジェクトが前に進むようにサポートいただきました。特に、イタリア本国に対し、日本のビジネス慣習を説明する必要がありましたが、2nd opinionとして、ベンチャーインクさんからコメントしていただくと、本国CFOも納得して、プロジェクトが前に進むことがあり、本当に助けられました。