Twitterの決算書分析

アメリカ時間の10月3日に、Twitterが、新規株式公開(IPO)に関する申請書類(S-1)を一般に公開しました。これまで、Twitterに対しては、「ユーザーは、多いんだろうけど、そもそもどうやって、稼いでるの?」という点が議論になっていましたが、この度、S-1が一般公開されることになり、いままでモヤモヤしていたものがすっきりした気がします。read more
そこで、今日は、Twitterの決算書を分析してみることにします。

S-1(IPO申請書類)はどうやって探すのか?

Facebookのときもそうでしたが、注目度の高い企業は、会社のウェブサイトにIPO申請書類を公開しないため、SECのページまでいって、探してくる必要があります。SECのEdgarという開示書類のデータベースからTwitterのS-1を見つけてきました。以下がそのリンクです。

TwitterのS-1

2012は売上高約316億円:決算書をまとめてみました

S-1は、文字9割、図表1割という構成であるため、売上の数字を探すのも一苦労です。以下の表で、重要と思われる損益計算書と貸借対照表の数字をまとめてみました。

2013年度の売上高は、500億超えは確実か?

2013年の半期売上高は、約253億円。2013年の年間売上は、単純計算しても、500億円は固く、アナリストの予想では500億円の後半にいくのではといわれています。11月、12月にかけてアメリカではバーゲンセール(クリスマス商戦)があるため、Twitterによる広告利用も拡大すると思われます。それにしても、広告ビジネスの伸びは、すごいですね。倍々ゲーム状態で、驚愕します。

収益源は、広告収入とビッグデータだった

2012年の売上は、約316億円ですが、その内訳は、広告売上が269億円、データライセンスが47億円と記載されています。広告売上は、「プロモツイート」、「プロモトレンド」、「プロモアカウント」と呼ばれるサービスから得られる広告収入から構成されているとのこと。一方、データライセンスというのは、ユーザーがTwitterでつぶやいたテキストデータを過去何年か分遡って、分析することができる権利を売却しているようです。いわゆるビックデータと呼ばれるビジネスで、Twitterが持っているデータのテキストマイニングをして、マーケティング上の知見を発見し、売上増加につなげるというものです。S-1には、わずか5社に対する売上でデータライセンスの売上の90%を締めていると書いてあるので、せっせとデータマイニングをビジネスにしている会社があるのかなと推察します。

創業来赤字だけど上場できるのは?

2012年度の純利益は、79億円の赤字。2013年の半期決算も、69億赤字と、損益計算上は、創業来赤字で絶望的に見えます。普通なら、IPOどころじゃないはずですし、まともな株価がつくはずがないと思ってしまいます。しかし、よくよく決算書を分析してみますと、Adjusted EBITDAという指標があり、これは、2012年度は、21億円のプラス、2013年の半期も21億円の黒という結果になっています。Adjusted EBITDAというのは、キャッシュフローに近い概念で、キャッシュに関係ないコストを除くとどのような結果になるかという指標です。Twitterは、償却費とストックオプションの費用負担が多いため、赤字になっているように見えますが、キャッシュフローをあらわすEBITDAを注目すれば、黒転していると評価することができます。EBITDAがプラスで好転しているところを売りにして、投資銀行はストーリーを組み立てているのだと思います。

トップレフトは、ゴールドマン

S-1の書類の最初のページに幹事証券の名前が載るのですが、主幹事になると、左上に名前が載ります。これを英語だとTop leftというポジションで投資銀行があらゆる手段を使って、その位置取りをします。Facebookのときの主幹事は、モルガン・スタンレーだったのですが、モルガンは、FacebookのIPOで失敗したこともあってか、TwitterのIPOでは、ゴールドマンがトップレフトで、モルガンがその右隣という配置になってます。

TwitterIPOでミリオネアーになるのは?

S-1では、Twitterの株主も開示されています。Twitterの時価総額が仮に1兆5000億円とすると各持分に応じて、以下のように、ミリオネアいやビリオネアが続出することになります。
Evan Williams 12%(共同創業者、現CEO)—1,800億円
Benchmark/Peter Fenton 6.7%(ベンチャーキャピタリスト、現取締役)—1000億円
Jack Dorsey 4.9%(共同創業者、初代CEO、現SqureのCEO)—730億円

以上、IPOを控えるTwitterの簡単な決算書分析でした。